大学時代、ゼミで楽観主義について研究をしたことがあります。自分自身はどちらかというと悲観主義者であるだけに、ああいった内容の資料を作ったり発表したりするのはとても精神的エネルギーを消費しました。
理論を習得しても、その理論に従って永続的に生き方を変えるのは、難しい。私の場合、楽観主義の理論を学んでも楽観的に生きられるのはせいぜい1ヶ月くらいでしょう。自分を変えることの困難さには、もどかしさを感じます。心理学や心理学的なものが提供する技術には、移ろいやすい生命状態のベクトルを永続的に矯正し続ける力はありません。だからもどかしい。しかし、かと言ってもしそれが可能になったら、個々の人間は理論で容易にコントロールできる単純なモノになってしまうような気もします。
「頭では分かってるけどできない」という感覚は、もどかしさと自由との絶妙な均衡で成り立っていて、この感覚が人間を人間たらしめているのでしょうね。
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